医療用脱脂綿の種類と特徴、用途の解説

医療用脱脂綿の原料や製法、安全性、製品ごとの特徴や違いについて解説しています。角綿やソフトプレスといったカット綿の用途などをご確認頂けます。また、メキシコやインド、アメリカなど脱脂綿の産地ごとの特徴も紹介致します。衛生材料取り扱いの参考にご覧ください。
角綿

脱脂綿とは


医療用脱脂綿の製法と安全性について解説します。

原料


デシ綿(在来種)
機械的な処理や脱脂が比較的容易また吸水性が優れているので、脱脂綿やふとん綿に
使われています。

原料は以下のような様々な国で作られています。

メキシコ製
繊維が長く、肌触りが良いのが特徴で柔らかい仕上がりです。

インド製
繊維が短く、巻きがきついのが特徴で比較的ゴワゴワとした仕上がりです。
   
アメリカ製
メキシコ製と良く似ており、アメリカでは綿花畑の減少により、安定的な供給に不安があります。
品質のバラつきがあるといけないので、弊社では現在仕入を行っておりません。

一般的な特徴


吸収量は5gで100mlも吸い込みます。
また1g中に2.5mm以上の混合物が入っていてはいけないという基準もあります。

作り方


一般医療機器としてワタ属科植物の種子表面にある綿毛をほぐし、種やほこりなどの異物を取り除き脱脂し漂白します。

用途


薬品を塗布し患者の体表から血液や体液を吸収したり、薬液を浸透させて患部に貼り付けて処置するなど、様々な医療現場で用いられています。 
 

脱脂綿の種類


では、ここからは医療用脱脂綿の種類と、それぞれの特徴や違いについて紹介しましょう。


医療用脱脂綿(カット綿・平綿)


医療用脱脂綿

「カット綿」とは、脱脂綿を使用用途に合わせてカットした製品になります。
ガーゼと同じように、カット綿も使いやすいサイズにカットされたものがあります。

4cm×4cm、8cm×8cmをはじめ、眼科の処置に適した5cm×6cmなどもあります。
(脱脂綿を使いやすい大きさにカットしたものがカット綿です。)

ご利用時には1枚ずつ分けて使われたり、まとめて薬品を含ませるために大量に使われたりしています。
弊社ではカット綿をさまざまな重さに分けて販売しています。

「平面」は当社の場合シート状、約50gの脱脂綿となります。
広げた時の大きさの目安は約45cm×約26cm。

必要に応じていろいろ加工が出来ます。
医薬品を塗布するのはもちろん液体の吸収や患部の保護、嵩上げ等いろいろ使えます。

当社製品
医療用脱脂綿


角綿


角綿

ソフトで吸収性に優れた綿です。
天然コットン100%のふんわり優しい肌触りなので、傷の消毒やアルコール消毒など医療用にも活躍し、目や口周り、指先のお手入れにも使えます。

当社製品
角綿
角綿


ソフトプレス


ソフトプレス

綿をソフトに圧縮した綿です。
圧縮するメリットとしては、アルコールをより吸収しやくする働きが起こります。

エタノールやイソプロパノールなどを含ませたアルコール綿と呼ばれるものに多く使われています。

当社製品
ソフトプレス
ソフトプレス


綿球


アサヒ綿球

綿球も脱脂綿から用途に応じて出来た商品です。
脱脂綿から手作りする事も可能ですが、なかなかの手間がかかり大変です。
朝日衛生材料ではサイズのラインナップも豊富で、トレー状の滅菌バッグに入れた滅菌製品もご用意しております。

当社製品
アサヒ綿球
滅菌綿球
滅菌綿球


ローラーコットン


アサヒ綿球

脱脂綿を円筒状に加工した脱脂綿になります。
歯科・口腔外科で多く使用されています。

当社製品
ローラーコットン


綿棒


綿棒

一般的に軸の両側に脱脂綿が付いている物が一般的ですが、紙軸・プラスチック軸・木軸があり用途に応じて色々な種類があります。

主に業務用としては医療機関や検査機関における試料、標本の採取、薬品などの塗布などに用いられます。
このような綿棒は片側だけに綿球部分があることが多いです。

また最近ではペット専用の綿棒もあり、使用用途に応じて様々な場面で使用できます。

当社取扱い製品
綿棒
綿棒


綿包ガーゼ


アルスパット

Aタイプは、脱脂綿をガーゼで包んであり吸収力があります。
防水紙が入っていない為重ねる事が出来て、より経済的です。
用途は熱傷、術後の当てガーゼなど色々な場面で使用可能です。

Bタイプは、基本的にはAタイプと一緒ですが裏面に防水紙が入っているため滲みがでません。

当社製品
アルスパット
アルスパット


アルコール綿


アルコリーフα

アルコール綿とは、脱脂綿を消毒用アルコールに合浸させたものです。

清浄綿は似ていますが、目的や効能が異なっています。
清浄綿は乳児の皮膚や口腔洗浄など清拭を目的とし、アルコール綿は手指や皮膚の洗浄・消毒を目的としており、アルコール綿のほうが清浄綿より高濃度の殺菌消毒です。

ちなみに、アルコール綿は1880年にイギリスの医師が病院で医療用としてはじめたのが始まりだそうです。

当社取扱い製品
アルコリーフα
アルコリーフα


最後に


ガーゼと脱脂綿は、本来その第一目的を医療用において製造開発されてきました。
直接患部に触れる材料である為、重要な衛生材料として、日本薬局方脱脂綿の規格及び検査項目を全てクリアしなければなりません。

当社では、製品を安心してお使い続けて頂ける様に日々、安全を心掛けております。
Aマークが目印です。

別注品やOEMなども承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。




商品部 石塚 誓良
京都営業所営業部 西谷 吉正
京都営業所営業部 大西 利功
2018年01月05日
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