がんの検査「PET検査」について。発見が難しいタイプのがんも?

がん検診などでも名前を聞くようになってきた「PET検査」について、その仕組みや検査方法、発見が難しいタイプのがんについて解説します。腫瘍(がん細胞)のブドウ糖を消費する性質を利用して検査する方法で、腎臓やぼうこう、脳のがんは発見が難しいとされています。
PET検査
新型コロナウイルスが発見されてから3年が経過し、ついにマスクが解禁間近まで迫ってきましたね。
日本で新型コロナウイルスが発見し、感染が拡大し始めた時はこれほど長く影響を受けるとは想像できませんでした。

感染すると具体的な対象方法や効果のある薬などもわからず、外出自粛など様々な制限を受けながら、ようやくマスクを外しての日常が戻ってくるのかと、すごく待ち遠しくなります。

新型コロナウイルスが発生した当初を思い出すと、PCR検査しか判断する方法がありませんでした。
診断結果にも数日かかり、厳しい隔離処置が敷かれ、発生地域では過剰なほどの報道が取りざたされ、羅漢された方は厳しい症状に悩まされているのに、ストレスまで抱える悪循環とひどい環境だったと思います。

現在では処置薬が進化し、飲む薬まで開発されましたね。
検査方法にも改善がすすみ、PCRだけでなく、医療用の抗原検査キットで対応が可能になり、その日のうちに診断結果がでるようなりました。
感染すると命の危険性が騒がれたこの病も、治る病に変化しようとしています。
医療の進化は日々進んでいると目の当たりにできているように感じます。


がんのステージと検査方法


不治の病として、皆様ご存じのように「がん」があります。
日本人で3大死因として、「がん」、心筋梗塞などの「心臓疾患」、そして「老衰」です。

なかでもがんに関しては、厚生労働省の統計で死因の26.5%ががんになります。
がんは2名に1名の確率で罹り、3名に1名の確率で亡くなられているようです。

この「がん」ですが、症状によってステージ0〜ステージⅳまで分類分けがされています。

悪性腫瘍が上皮細胞にとどまっているステージ0から始まり、筋肉まで進むステージⅰ、筋肉層を超えるステージⅱ、リンパ節まで侵食するステージⅲ、そして、他の臓器にも転移するステージⅳといわれています。

罹った箇所にも影響がありますが、ステージ0では生存率が90%以上ですが、ステージⅳでは40%を下回ります。
ステージが進めば生存率が下がっていきますので、いかにして早く発見して、早期に治療するかがカギになりますね。

がんを発見するには?と聞かれましたら、私は一番に思い浮かぶのががん検査や人間ドッグになります。
どうやら私はまだアップデートできていなかったようです。

新型コロナウイルスで検査方法に進化がみられるように、がんの発見方法も進んでいます。
それが今回ご紹介する「PET検査」と呼ばれるものです。


PET検査とは?


PET検査とはPositron Emission Tomographyの頭文字をとって、PET検査と呼ばれます。
日本語に直すと「陽電子放出断層撮影」になります。

がん細胞は正常の細胞にくらべてブドウ糖を3倍から8倍も消費するといわれています。
この食いしん坊な腫瘍の性質を利用して検査するのがPET検査の方法になります。

この検査では陽電子(Positron)を放出(Emission)させる薬を投入します。
食いしん坊ながん細胞はブドウ糖でできたこの薬をたらふく食べようとします。
食べる時に放出されるガンマ線を撮影(Tomography)してがん細胞の有無や場所を調べるという検査方法になります。

大まかな検査方法としては、

1.検査の約6時間前から絶食します。
2.検査薬は静脈中でブドウ糖に似た薬剤を注入。
3.薬品が広がる1時間待機した後にPETカメラで撮影。
4.検査後はガンマ線が減少するといわれる30分間休憩して終了。

といった手順です。

PET検査は1cmほどの大きさで見つけるのが難しかったがん細胞まで見つけられるようになりました。
また、被ばく量も少なく、バリウム検査と変わらないほどといわれています。

※筆者はバリウム検査が苦手で、胃を膨らます発泡剤の圧力に耐えられず、何度もお代わりをするはめに、、、、

PET検査はガンの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べ、治療中-治療後の経過を確認する精密検査で、アルツハイマー病やてんかん、心筋梗塞でもPET検査が必要とされる場合には健康保険が適用されるように2018年4月に改訂されました。

喘息や腎臓病の方はCT検査などの造影剤検査が出来ない場合がありますがPET検査では問題なく受診出来ます。
血糖値が高いと検査の精度が下がる恐れがありますので糖尿病の方や血糖値の高い方はぜひ医師に相談して下さい。


PET検査では発見が難しいもの


優秀なPET検査にも苦手なものもあります。
腎臓やぼうこう、脳のがんは発見がPET検査では難しいといわれています。
そもそも、これらの箇所は通常でもブドウ糖をエネルギーにしたり、尿の経路になるのでブドウ糖が集まりやすいという性質があります。
また、胃ガンの発見は胃カメラでの検査が優れているといわれています。

ここ最近では、尿の一滴でがん発見!なんてすばらしい検査方法もCMで見かけました。
がんを患っている方と健常者では尿のニオイの性質が変わり、線虫とよばれるものががんを患っている尿には反応して近づいてくるというもののようです。


がんは早期発見が大事ということと、検査方法もいろんな方法が進化しているというのを今回学ぶことができました。
死因でがんが1位になっていますが、ついに老衰が3位にランクインしました。
つまり病などの影響ではなく、人生を全うされてお亡くなりになるということではないかな?と思います。
いつの日か1位が老衰になるといいですね。


本社営業部 内田 勝也
本社営業部 居村 正彦
2023年02月16日
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