医療製品や医薬品の有効期限について。賞味期限や消費期限との違いとは?

食べ物や飲み物に記載されている「賞味期限」と「消費期限」、そして医療製品や薬に使用される「有効期限」、それぞれの違いについて解説しています。滅菌製品については時間依存型無菌性維持とイベント依存型無菌性維持の2つの考え方があります。
医療製品や医薬品の有効期限について。賞味期限や消費期限との違いとは?
私たちが生活する中で、口にする食べ物や飲み物、薬には期限が設定されています。
それぞれの期限について深く考えたことはありますか?

また、私たちが販売する商品にも使用期限が存在します。
今回はそれらの期限の定義と期限切れの商品について理解を深め、商品のその後について考えてみたいと思います。


賞味期限と消費期限の違い


普段、よく目にする「賞味期限」と「消費期限」ですが、どのような違いがあり商品に記載されているのでしょうか?
まずは基本的な期限から確認してみましょう。

賞味期限


定められた方法に従って保存した場合に、その食品に期待されるすべての品質を十分保っていると認められる期限のことをいいます。
つまり、加工食品について、期限内であれば、おいしく食べられることを保証する期限のことです。

ただし、食品は表示されている保存方法を守って保存しておくことが大切です。
一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。

消費期限


定められた方法において保存した場合において、品質が劣化しやすく速やかに消費すべき食品について、腐敗・変敗などの劣化に伴う衛生上の危害が発生するおそれがないと認められる期限のことをいいます。

お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、いたみやすい食品に表示されています。

表示について


賞味期限と消費期限の表示は製造および加工からの期限により選別が行われております。

内容は下記の通りです。

消費期限
およそ5日以内 年月日表示

賞味期限
3カ月以内 年月日表示
3カ月以上 年月表示


医療における使用期限


医療機関で処方される薬、薬局やドラックストアで販売している市販薬、私たちが日頃、得意先に販売している自社製の滅菌ガーゼなどの有効期限についてもみていきましょう。

処方箋と市販薬


処方箋は、医師が患者さんを診察し、その時の症状などに合わせて処方したものです。
したがって、特別な指示がない限りは、医師の処方した期間で飲み切るのが原則となります。

また、病気が治ったり薬が変更になって、薬が余ることがあります。
手元に残ったからといって、しばらくたって同じような症状に対しその薬を使ったり、他の人にすすめてはいけません。

翻って、市販薬(一般用医薬品)は、外箱に使用期限が記載されています。
この外箱に記載されている期限は、未開封の状態で正しい保存環境で保存されていた場合を示しています。
製造してから3~5年程度は、効き目が変わらずに使えるといわれています。
これは製薬企業が品質の試験を行い確認しています。

滅菌製品の有効期限と設定方法


滅菌するものによって期限が変わってくるようです。
『一般社団法人日本医療機器学会,医療現場における滅菌保証のガイドライン2015.』によると下記の2種類で設定されています。

①時間依存型無菌性維持:TRSM(Time-Related Sterility maintenance)
既滅菌物の無菌性は時間が経てば損なわれるという考え方。

②イベント依存型無菌性維持:ERSM(Event-Related Sterility maintenance)
既滅菌物の有効期限は保管の時間に影響されるのではなく、既滅菌物を汚染する可能性のある事象が存在すれば時間に関係なく無菌性は破綻するという考え方。

要するに、①は「保管期間」で管理する方法で②は「保管方法」で管理する方法であるということです。
医療機関でよく見かける滅菌バッグの有効期限は理論的には半永久的とさていますが、有効期限は1~6ヶ月となっていますが、これは①に準拠しており包装形態に応じた有効期限の設定とされています。

使用期限設定のためには、事象(包装材料・滅菌方法・保管方法・保管場所)を条件として、使用期限を設定することが重要です。

滅菌製品に関しては以前に投稿された「消毒、殺菌、AC滅菌、EOG滅菌の違いについての解説」もご参考ください。


期限切れの商品のその後


昨今ではコンビニエンスストアの廃棄食品の問題や家庭の食品ロス、滅菌物の未使用有効期限切れなどが問題となっています。
そのような無駄を削減する動きが現代には必要とされています。

最後に現在行われているこのような削減方法を紹介して終わりにしたいと思います。

廃棄食品のその後


コンビニエンスストアやスーパーで廃棄処理された食品を畜産の飼料にしたり、農業の肥料にしたりリサイクルは従来よりも進んでいるが、家庭系の食品ロスは増加しているようです。
前途の賞味期限や消費期限切れの商品を廃棄する現状があります。

私たちが働く京都府京都市のデータでは食品廃棄物のうち17%が手付かずの食品であるとされています。

期限切れ滅菌物のその後


滅菌物は保存期間や保存方法によって有効期限はさまざまですが、期限切れのものに関しては再滅菌がなされ、消耗品は廃棄されます。
再滅菌にも滅菌装置、滅菌バッグ、インジケータなどに費用がかかり馬鹿になりません。
滅菌物の保存方法や管理方法を管理することで多少の延命はできるようですが、それでも限界があります。

長期の保管ではそれだけで汚染を受ける行為に遭遇する機会が多くなるので、できる限り古い滅菌物から取り出せて有効期限内に、効率よく使用する工夫を行うことも必要です。


私たちができる削減


食品に関してはとても一般的な答えです。
定められた期限に従ってきちんと食べましょう。

定期的に保存場所を確認し、期限が近いものに関しては自発的に処理を行う。
一人ひとりの認識が大きな枠組みとなって廃棄促進の抑止力になると今回のコラムを記しながら思ったことです。

医療機関の期限切れに関しては、在庫量の管理や先入先出を徹底することで未然に防げる廃棄もあると思います。
商品を提供する側の私たちが徹底することはもちろんのこと、従事者も心の片隅に認識を置いておくことで防止できることなのではないでしょうか。

期限切れは私たちが必要としたものの成れの果てではなく、私たちが見逃した必要なものという認識を持つことで改善されてゆくものだと思います。


本社営業部 吉井 雅彦
京都営業所営業部 屋敷 雅之
2020年02月20日