インフルエンザの症状と検査・予防方法

インフルエンザの症状や検査・予防方法について解説します。ウイルスの種類(A型、B型、C型など)や感染経路、潜伏期間、タミフルやリレンザなどの効果、病気にかかってしまった時の過ごし方(食べ物や水分、睡眠)についても紹介しています。
インフルエンザの症状と検査・予防方法
前回はノロウイルス(感染性胃腸炎)の症状や対処、予防方法についてお話をしましたが、今回はインフルエンザウイルスについてです。

寒い北の国から渡り鳥が日本にやってくる冬の季節に流行しますが、じつはこの渡り鳥がシベリアからインフルエンザウイルスを日本に運んでいるのです。
今回はそんなウイルスのお話です。

1. そもそもインフルエンザウイルスってなに?


インフルエンザウイルスと一言で言いますが実は種類はたくさんあります。
A型、B型、C型などがありますが、現在確認されているので実は144種類以上もあります。

これはインフルエンザウイルスの表面にヘマグルチニン(HA)とノイラミニターゼ(NA)という糖タンパクがついていて、ヘマグルチニンは16種類あり主に免疫に関係があります。
ノイラミニターゼはウイルスを増殖させる働きがあり9種類あります。この二つを掛け合わせると144種類になるのです。

例えば2009年に流行した新型インフルエンザはH1N1型と呼ばれますが、これはヘマグルチニン(H)1番目とノイラミニターゼ(N)1番目という意味なのです。

2. どのように発生するの?


インフルエンザウイルスは乾燥すると数時間で死滅しますので、空気感染ではうつりにくいです。
主な感染経路はくしゃみなどによる飛沫感染や、手すりや机などのウイルスに触れた手で鼻や口を触って感染する接触感染になります。
喉頭が受け皿になってウイルスをキャッチして増殖させた後に発病します。
体内での菌の潜伏期間は1日から3日と言われています。

3. 症状は?


主な特徴は突然39度ぐらいの高熱が出ます。
寒気や関節痛、筋肉痛などの症状が出て、喉の痛みや鼻水、咳などが出ます。
喉の痛みや鼻水が先に出る風邪とは逆になりますね。

頭痛や吐き気を伴うこともありますが、特にアスピリンの入っている薬を服用するとライ症候群を引き起こす可能性がありますので大変危険です。
また高齢者の方は、肺炎球菌の感染を受けて肺炎になるなどの二次感染にも気を付けなければいけないですね。

4. 検査方法


風邪と勘違いしやすいインフルエンザですが、検査方法はインフルエンザ専用の検査キットがありますので簡単な診断で早期発見が可能です。

5. 予防


予防接種の注射などでワクチンを投与してウイルスの知識(免疫)を身体に記憶し、対抗する手段(抗体)を与えます。
ただし、効果はインフルエンザを発病した時に症状を和らげるために行いますので、発病を防ぐということではないのです。

年末は仕事が忙しくなり身体に疲労がたまる、いわゆる冬バテになると、抵抗力が弱まり発病しやすくなりますので、忙しい時ほど睡眠と食事をしっかりとるようにしましょう。

また発病しても48時間以内に服用すると症状が1日から1日半短くなるというタミフルやリレンザなどの薬があります。

6. もし、かかってしまったら?


発病するとウイルスに抵抗する為に皮膚の血管を収縮し震えさせて熱を作り体温を上昇させようとします。
これを悪寒と言います。

手足の表面温度が下がり、ぞくぞくとした寒さを感じますので、厚めの布団をかけて身体を温めてください。
ウイルスに勝つために身体は熱を持ちます。

高熱は1日から5日間続きウイルスとの闘いが終わると、身体は元の体温に戻すために熱を放出します。
熱は大量の汗と一緒に出ますので、今度は薄めの布団に変えたほうがいですね。
発病中は咳や汗で体内の水分が不足しがちになりますから水分補給はこまめに行ってください。

また、お風呂は新陳代謝を促進して身体に負担がかかりますので発病中はお控えください。
かかてしまったら「睡眠・安静・保温」を心がけてください。

7. まとめ


年末年始など冬場の忙しい時は免疫や抵抗力が弱くなりますのでインフルエンザにかかりやすくなりますよね。
手洗いとうがいを習慣づけることで菌の量を減らすことが感染リスクを回避する方法です。

でも一番の予防は何といっても十分な睡眠と食事をしっかりとって身体の免疫力を高めておくことです。
そうすればウイルスが入ってきても負けない身体になります。

まだまだ寒い日が続きますがどうか皆様、体調にはお気を付け下さい。


商品部 山崎 博士
2017年02月08日
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