インフルエンザとは?語源と歴史、対策について

今回は、インフルエンザの語源や歴史について紹介します。特に猛威を振るったのが1918~1919年に大流行した世界最初のパンデミック(世界的流行)「スペインかぜ」。感染者は全世界で6億人、死者は4000万から多いもので1億人という資料があります。日本のインフルエンザという言葉は幕末にオランダから入ってきました。
インフルエンザとは?語源と歴史、対策について

インフルエンザの語源


流行語というほどではありませんが、近年テレビやネットなどで『インフルエンサー』と呼ばれる人を聞いたことはないでしょうか。

インフルエンス(influence)とは影響という意味で、インフルエンサーとはそのものずばり、周囲や世間に影響力のある人のことを言います。
そしてこのインフルエンスは、毎年冬になると流行する感染症『インフルエンザ』の語源であることをご存知でしょうか。

インフルエンザの存在は古代ギリシャの時代から知られてはいましたが、当時は冬になると流行る高熱と体の痛みを伴う性質の悪い風邪、という認識でしかなく、名称はありませんでした。

それから時と場所は流れて14~16世紀のイタリア。
同じく冬になると流行るこの症状に占星術士が、冬の星の動きが影響していると結びつけ(インフルエンス(影響)のイタリア語である)「インフルエンツァ」と名づけたのが始まりとされています。

日本では平安時代の近畿地方で大流行した病気が、どうやらインフルエンザであったと思われ、それが国内で最古の記録となっております。
インフルエンザという言葉は幕末にオランダから入ってきて、これを『流行性感冒』(りゅうこうせいかんぼう)と名づけ、縮めて『流感』としました。

今でも高齢な方や時代劇などで流感と口にされますが、これは今で言うインフルエンザのことを指します。

インフルエンザの影響


こうして古くから人間と関わりがあり、文字通り我々の社会に影響力を与えてきたインフルエンザ。
特に猛威を振るったのが1918~1919年に大流行した『スペインかぜ』でした。

感染者は全世界で6億人、死者は4000万から多いもので1億人という資料があります。
当時の世界の総人口は20億人弱くらいでしたから、実に3人に1人の割合でかかったということになります。

そしてこれが世界最初のパンデミック(世界的流行)と言われています。

スペインかぜはその名とは違い、アメリカが発生源とされています。
当時は第一次世界大戦の最中。
アメリカのヨーロッパ侵攻が始まり、アメリカ本土から兵士が船で各戦線へと送られました。

この時点で多くのアメリカ兵はインフルエンザにかかっており、狭い船内でさらに蔓延し、より強力に変化。
そのウイルスが兵員輸送と共に全世界に広まったのです。

それは敵味方関係なくイギリス、フランス、ドイツの各兵士にも感染し、帰国したり各地域へ転戦することでさらなる被害の拡大へと繋がりました。

あまりにも感染者が多く、そして死者が増えるので、各国は戦線を維持できなくなります。
それによって第一次世界大戦が早期に終結する流れへとなりました。

戦争の死者よりもインフルエンザの死者の方がはるかに多かったのです。

ちなみにスペインが発生源でないのに、なぜ「スペインかぜ」と呼ばれるのか。
これはスペインが第一次世界大戦に参加せず、中立の立場を取っていたからということに関係します。

戦争をしようという国が、自国の兵士の間で病気が蔓延しているという情報が世に出ることはいいことではありません。
なので各国は隠蔽を図りました。

しかしあまりにも感染力が強かったこのインフルエンザを看過するわけにはいかず、戦争とは直接関係がなく、国王もかかってしまったスペインだけがこの病気の報道を行いました。

そのためスペインが発生源のような呼び名となっていますが、完全に濡れ衣といっていいでしょう。
また、かぜとインフルエンザは違うものなので、現在ではこの名称が正しいものかどうかを問う議論がなされています。

インフルエンザの対策


インフルエンザに限らず、ウイルスは体内に侵入し、細胞に取り付いてコピーを作って増殖します。
その際に大量のコピーミスをして突然変異を起こします。

大半の突然変異したウイルスはそのまま死滅しますが、稀に生き延びることがあります。
これが元のウイルスと掛け合わさり、さらに強力なウイルスとなる場合があります。

これが新型インフルエンザです。

スペインかぜは若くて丈夫な兵士の間で流行したのですから、元からとても強力な感染力がありました。
それがさらに頑強な細胞を取り込んで増殖、変異していったと見られるので、あれだけの猛威を振るったのも当然と言えるでしょう。

同じ様に子どもから大人に感染したインフルエンザは症状がきつく、治りにくいと言われるのも迷信ではなく、免疫力の強い子どもがかかってしまうような強いインフルエンザウイルスを、疲れきった大人が感染すれば重度の症状が出てしまうのも無理はないでしょう。


しかし、ウイルスだけを狙い打ちにできる抗ウイルス薬の開発は非常に難しいとされていて、最近ではオセルタミビル(いわゆるタ〇フル)が開発されインフルエンザに効果がある薬品とされました。
が、問題点も少なくない(A型に効果があり、B型にはやや効きにくく、C型には効かない。副作用が強い。発症時間を1日弱短くする程度、等)ため、使用用途が限られているのが現状です。

そのためインフルエンザへの対策は以前のコラム(http://asahi-eizai.com/columns/influenza/)でも書かれた通り、普段から偏らない栄養補給、十分な睡眠、適度の運動で免疫力を高めることが重要となります。

そして何よりも移さないこと。
移さないためにはマスクが効果的なのですが・・・その話はこの後に。

またインフルエンザの予防接種を受けたのにインフルエンザにかかった、効果がないんじゃないか、という声をよく耳にしますが、残念ながら予防接種にはインフルエンザウイルスの体内侵入を防ぐ能力はありません(それは粘膜免疫の役割)。
ウイルスが侵入し、発症してから効果を発揮するのです。

だから体内にウイルスが侵入した場合、免疫が即座に反応して発症を抑える、もしくは発症しても症状を軽減させることができます。
こうして重篤化を防ぐことによって、それに伴う合併症(誤嚥性肺炎など)による死亡を回避することに繋がります。

ただし高齢者や小児の場合は免疫の活動が十分ではないので、免疫の効果が遅くなってしまうことがあります。
しかしその場合でも予防接種をしないよりは、重篤化する可能性を著しく下げるので、摂取することを強くお薦めします。

特に免疫の働きが十分でない場合が多い小児にはワクチンがつきにくく、2度の摂取が望ましいとされています。
注射は痛いですが、ここはお子さんには我慢してもらいましょう・・・

最後に


結局のところ、インフルエンザを100%防ぐことはできないのが正直なところです。
しかし知識を取り入れ対策を練れば、発症を防ぐこと、重篤化を避けること、拡大させないことは十分に可能だと思われます。

インフルエンザは怖い病気であるという認識が徐々に深まってきています。
少し前にはインフルエンザくらいで休めないとか、熱が下がったから大丈夫という気持ちで外出される方も多かったですが、今では発症から5日間は外出禁止となっています。

焦る気持ちを抑えて、大人しく療養することが1番の治療の近道です。
免疫を鍛える、無理はしない、これが何よりのインフルエンザ対策なのではないでしょうか。

まだまだ寒い時期は続き、インフルエンザのシーズンではありますが、皆さんもどうかお気をつけくださいませ。


本社営業部 松山 達哉
本社営業部 梅川 祐二
2019年01月28日