不織布マスクってどんなのがいいの?マスクの正しい選び方について解説します

「不織布マスクってどうゆうのがいいの?」とよくお問い合わせをいただいています。今回は医療用マスクやサージカルマスクなどそれぞれの違いと、弊社がお世話になっている「全国マスク工業会」について紹介します。
不織布マスクってどんなのがいいの?マスクの正しい選び方について解説します
「富岳」!!
御存知かと思いますが、理化学研究所・神戸キャンパスにある世界で一番性能が高いスーパーコンピュータです。

2020年11月にこの富岳を利用してマスクの性能を含めた研究成果を発表しました。
くしゃみをした時に飛沫が外部にどれだけ漏れたかという実験を、不織布製マスク、綿製マスク、ポリエステル製マスクの3種類で行いました。

結果として不織布マスクが8割、綿製やポリエステル製手作りマスクは7割をカットしたという結果が出ました。
不織布のマスクに関して言いますと飛沫がマスクを抜けることはほとんどなく、漏れたのは大半がマスクの隙間からになり、マスクを正しく密着して使用するとほとんど漏れないという結果でした。
綿製やポリエステル製マスクは不織布マスクに比べ飛沫がマスクを通過するという結果でした。

また、綿製とポリエステル製マスクを使用した時、くしゃみをするとマスクが浮きやすくなったりしないでしょうか?
マスクの隙間が生まれやすいのも特徴になりますね。

この結果「不織布マスク警察」という言葉までうまれることになりました。
医療現場でも不織布マスク着用で御来院くださいという案内まで出るようなこともおきました。

不織布マスクの流通が安定してきたというのも後押ししているかもしれませんね。

「不織布マスクってどうゆうのがいいの?」とよくお問い合わせをいただいています。
今回は弊社がお世話になっている「全国マスク工業会」の御紹介やマスクのちょっとしたお話を御紹介しようと思います。


医療用マスクが欲しい!


そもそも医療用マスクってあるの?と弊社によくお問い合わせを頂いていますが、弊社は現時点では取り扱いはありません。
一般的に医療機器というものですが、薬機法という法律・基準の下で厚生労働省に医療機器として登録されたものになります。

日本では医療用マスクの正式な規格が定められていないので、基本的には医療機器としてのマスクはなく、雑貨品という扱いになります。
つまり宣伝で「医療機器登録されたマスクですから安心!」は安心ではないということ??ってなりますね。

医療機器登録されているのであれば厚生労働省に証明されている番号がありますのでメーカーに確認してみてもいいですね。


海外ではどうなの?


日本国内では医療用マスクの性能基準はありませんが、アメリカやヨーロッパでは規格があります。
アメリカではASTM、ヨーロッパでは安全基準であるCEです。

日本国内ではASTMの規格を参考にして製品の品質安定化を図っています。
ASTMで定められている規格はこちらで御紹介しています。
http://asahi-eizai.com/columns/non-woven-mask/

ちなみにASTMはマスクの規格ではなく、ウイルスを捕集する役割である「フィルター」の性能を評価する規格になります。
マスクが不足している時、中にはフィルターが入っていないマスクをサージカルマスクとして販売しているメーカーもありましたが、明らかに間違った商品になりますね。
海外ではこのASTMで定められた5つの基準をクリアしたものが医療用マスクとして使用されています。


サージカルマスクとは?


サージカルという言葉は「外科の」、「手術の」という意味があります。
この語源のとおり、医療で使用できる基準のフィルターを使用するマスク=サージカルマスクと言われます。

つまり、日本国内では先ほど御紹介しましたASTMの基準値をクリアしている商品がサージカルマスクとして認識されています。
サージカルマスクとして販売しているのであればPFEやBFEなどの試験データもあるということになりますね。


マスクの2枚重ねは効果あり?


日本ではマスクの医療用規格が無いと御紹介しましたが、日本が感染対策の指標にしている一つとしてアメリカの疾病対策予防センター(CDC)というものがあります。
こちらでは、マスクの2枚重ねを推奨しています。

日本国内でも不織布マスクを2枚重ねて着用されている方を見かけますが、この効果についても富岳を利用して捕集実験を行ったようです。

 ・不織布マスク1枚でノーズピースを鼻の形に沿ってフィットさせていない時は69%
 ・不織布マスク1枚で正しく装着した時が85%
 ・不織布マスク+ウレタンマスクを重ねた時は89%

つまり、マスクを2枚重ねても捕集効果は4%しか変わっていないという結果が出ました。
この数値が物語るのは、“自分の顔のサイズに合った”マスクを、“正しい使い方”で使用することが大事という事ではないでしょうか?

マスクを2枚重ねるとその分息がしにくくなり、マスクをずらして鼻や口を出して息を整える、2枚つけているという安心で着け方が雑になる、そうなるとかえって感染のリスクが高くなりますね。

レース模様やおしゃれなマスクで気分を変えることは素晴らしいですが、効果についてとなると、鼻の形に沿ってノーズピースを曲げ、頬を抑えることによってマスクの隙間をできる限り減らすことで1枚でも十分に性能を発揮します。
正しい使い方が予防につながりますね。


マスクの正しい選び方とは?


以前のコラムでマスクの正しい装着方法について全国マスク工業会の御協力の下で御紹介させていただきました。
全国マスク工業会のホームページでも御紹介されていますので是非御参考にしてみてはいかがでしょうか?
(http://www.jhpia.or.jp/product/mask/mask2.html)


全国マスク工業会とは?


不織布マスクってどんなのがいいの?マスクの正しい選び方について解説します

皆様が規格に適合した正しいマスクを安全に御利用していただけるよう、環境を整えるのに頑張っていただいているのが、「全国マスク工業会」です。
(HP: http://www.jhpia.or.jp/product/mask/index.html)

全国マスク工業会は一般社団法人日本衛生材料工業連合会に属し、マスクを専門的に取り扱う業界団体になります。
医療機器や国民の健康などを管轄する厚生労働省がマスクの使用表示の検討を要請したことを機に2005年3月に発足されました。

マスクを購入する時にどのようなマスクを買うといいの?ってお悩みになると思います。
判断の一つとして、「全国マスク工業会会員マーク」が印字されている商品を弊社はお勧めしています。

全国マスク工業会に加盟しているメーカーや輸入販売業者は全国マスク工業会のマークを使用して販売する事が出来ます。
使用するには決まりがあり、それが2016年1月に施行された「マスクの表示・広告自主基準」になります。

これは宣伝やパッケージで誇大表示、嘘を無くすことを目的の一つとし、表示しなければいけない文言、表示してはいけない表現、細かいところではフォントサイズの指定まであります。

また、サージカルマスクの区分けに役立つASTMの試験についても推奨試験機関を定め、試験データの確認なども行っています。(※全国マスク工業会では試験を受付していません。)

マークを使用するには会員メンバーが全国マスク工業会に使用申請を行い、1年に数回行われる確認会議で承認を得た商品がマークの使用を認められます。
中にはマークを無断で使用している企業もあるようですが、表記方法で見分けることもできるようです。

多くありますが、ウイルス99.9%カット!や厚生労働省承認やドクター推奨なんていう文言が入っているマスクはNG!指定の試験機関でフィルター性能を正しく評価していないでPFE、BFEの表記をしている商品についてもマークの使用がNGになっています。

つまり全国マスク工業会マークがあって、フィルター性能が記載している商品はマスクの性能試験報告書があると思ってもらっていいでしょうね。


最後に


マスクを使用する時に気にかけてほしいことがあります。
マスクはウイルスや花粉などから自分を守る役割をしていますが、「他人に感染させない」というのも大事な役割になっています。

近畿地方では緊急事態宣言が解除され、我慢していた外出が徐々に緩和されていくことになるでしょう。
外出する時は自分を守るためと、他人に感染させないようにという「思いやり」を正しくマスクを着用するということで表現してみてはいかがでしょうか?


本社商品部 山崎 博士
2021年03月09日
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